アレクサンダー・テクニーク教師トレーニング

指導者の意識改革!アレクサンダー・テクニークで緊張をほぐす方法

指導に活かす Aug 20, 2021

あなたが音楽や演奏の指導者なら「アレクサンダー・テクニーク」という言葉を耳にしたことはありませんか?

実際に体験したことはないしどんな効果があるかわからない、本を読んでも正直よくわからない、ネットで調べても抽象的なことが書かれていてよくわからない。。。

事実、BODYCHANCEスタジオに体験レッスンに来られたほとんどの方がそう言います。

今回は音楽や演奏の指導に熱心に取り組んでいるあなたのために、アレクサンダー・テクニークを使った指導法についてご紹介します。

 

アレクサンダー・テクニークとは?

自身も役者であったF・M・アレクサンダーが編み出した、私たちが日常生活の中でため込みやすい物理的・精神的な緊張を軽くするために、体の使い方や姿勢、動作を改善する方法です。もう少し具体的に表現すると、無意識のうちに筋肉が習慣的に緊張して(押し下げられて)いる事を自覚し意識的に置き換えていくようにしていくメソッドのこと。

このメソッドにおいて特に注目する「頭と身体全体の関係」から考えていくと、頭の動きが身体全体に大きな影響力を持っている事が分かります。まず頭を動けるようにしてあげて、そうすることで身体全体をついてこさせながら“自分のやりたいこと”をやっていけるようにすることを目指します。

楽器の演奏に例えると、「頭を動けるようにしてあげて身体全体をついてこさせながら」、フルートを鳴らす。というような事です。

 

あなたの生徒さんは何タイプ?

あなたはレストランに行ったとき、まずどんな事に注目しますか?

レストランの内装や料理の色使いなどに注目しますか?
それとも、人々の話し声やBGMが真っ先に耳に入ってくるタイプでしょうか?もしくは、食器の手触りや食事の舌触りなど触感が先に来るタイプの方もいますね?

このように、人には“何を最初に感じるか?”が違っています。目で見て感じる視覚優位タイプ。声・音を聞いて感じる聴覚優位タイプ。そして、触れたり、体験したりして学ぶ感覚優位タイプです。

あなたが受け持っている生徒さんはそれぞれどのタイプの感じ方か考えたことはありますか?
生徒さんの学び方や感じ方のクセを知っていくと、レッスンでの伝わり方も変わってきます。

ここにアレクサンダー・テクニークで学んだ知識を取り入れていて指導していくと今までのレッスンが「分かりやすく・伝わりやすい」そして、「楽しい」レッスンへとどんどん変化していくのです!

指導者の存在意義を考えると、今までは「あるべき姿に導く、理想の形を指し示す」事が指導者と思われていたようですが、それよりも指導者が関わることによって生徒さん一人一人の願いや望みの実現を促進サポートする役割を担っていくことが本来の姿かもしれません。 今、目の前にいる生徒さんは「何をやりたいのか。何を改善しようとしているのか。」そして、それを“どうやって”伝えると最も伝わりやすいのか、は一人ひとり違っています。「指導をカスタマイズする」ことを目指していきましょう。

 

良い指導とは?

楽器の指導でつい、やりがちなのが「肩が上がらないように!」や「音はこんなに強くしない!」などといった“否定形での指導”です。実は、このような言い方は逆効果で生徒さんは「肩を上げないようにしよう」「音を大きく吹かないようにしよう」などとやってはいけないことにさらに注目してしまい、力みが出てしまいます。

まずは、頭を楽にして体全体を動けるようにすることから始めてみましょう。その上で、まずは音を生み出す仕組みそのもの、もしくはそれを引き起こすごく単純で明快な、議論の余地もないくらい明白な事実・基本的操作から進めてみましょう。

例えば、「肩を上げないようにしよう」ではなく、肩が上がるのはどのような時が考えられるのでしょうか?

1:呼吸がうまくいっているとき 
2:首がすくんでいるとき 
3:肩に力が入っているとき 

が考えられます。1:の呼吸がうまくいっているときなら問題ありません。そのままで良いでしょう。

ただ、2:や3:の理由の時は改善したほうが良いですね。

2:の時は頭を楽にして首も自由にすることを意識して、3:の時は肩の力を抜いて自由にしてみましょう。そうすることで自然と肩が上がってしまう現象が改善されます。胸や肩には「動いていいよ。」と言って自由に解放してあげましょう。力みが取れます。

このように“やってはいけないこと”に注目するのではなく、“なぜ、そうなるのか?” “理想の音・フォームを目指すには何が必要か”といった観点から指導を始めると不要なところに力みが入ることなく、しかもごく単純な意識の変化で演奏に変化が現れます。

 

演奏と身体の関係性とは?

音楽をする人にとって、「身体」は演奏の全てを担う楽器です。そして、演奏中は首の筋肉は柔らかく自由でなければいけません。というのは、首の筋肉が固まると身体全体が固くなってしまうからです。

ここで、アレクサンダー・テクニークの「頭を楽にして身体全体を自由にする」理論を思い出してみましょう。また、関節がどこにどうやってついているのか、首の骨がどのようにつながっているのか等、体の仕組みを理解することで演奏する際にも知識を応用してますます身体全体が自由に動いていきます。

「きれいなフォームを目指す」のではなく、身体にとって楽で自由な姿勢を探していきましょう。身体全体がバランスよくつながっていることが美しく楽な演奏姿勢につながります。

 

アレクサンダー・テクニークで緊張を味方につけるコツ

皆さんは「緊張」というとどんなイメージですか? 体が冷たくなったり、固くこわばる。手が震えるなどではないでしょうか?

実は、「緊張」は二種類存在しています!

上にあげたような緊張は“緊張(tension):はりつめること”と言われています。
そして、もう一つの緊張は演奏をする方なら思いつく方も多いのではないかと思いますが、「緊張感があって集中して演奏出来た」と言ったような良い緊張です。

これを“芸術的緊張(artistic tension):強い感情または知的な興奮で、演奏中や芸術作品によって引き起こされること“と言われています。
まずは自身の緊張がこのどちらに当たるのかを冷静に判断してみましょう。その上で、対策を考えていきます。

普段の練習時に出来ることですが、普段の練習から詳細に本番の状況を思い浮かべて自分の緊張状態を再現してみます。

「今、私は舞台に立っている。観客に見つめられて演奏している。」

こう、思い浮かべると身体はどうなるでしょう?
手先が冷たくなったり、呼吸が浅くなっているのではないのでしょうか?

次に、「頭を楽に体全体とのつながりを考えて、上へ広がっていく」事を思い浮かべます。どのような変化が表れるでしょうか? そして今度はこの状態で演奏することをはっきりと思い浮かべてみてください。この練習を重ねることで、本番での心と体のコントロールがしやすくなります。


では、いざ本番前に出来ることはあるのでしょうか?

実は本番前に呼吸を整えようと深く呼吸をしたり、集中しようと意識を一点に絞ることは逆効果です。

本番前も身体全体のつながりを意識して、低く“アー”とささやいてみて下さい。そうすると、全体に意識が広がりながら良い緊張感を感じることができるはずです。

心と身体のありようを意識する。体の使い方を具体的に感じる、このアレクサンダー・テクニークを使って普段のレッスンや本番にぜひ生かしていきましょう!

 

 「アレクサンダー・テクニーク」は全世界で取り入れられている脱力&緊張解消メソッドです。

あなたの悩みを解決に導く方法を学んでみませんか?

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